介護施設の「個室」と「多床室」で月額費用はどれくらい違う?——プライバシーとコストのバランス
介護施設の居室タイプによる月額費用の違いと、個室・多床室それぞれのメリット・デメリットを比較して選び方のポイントを解説します。
居室タイプの違いが月額費用を左右する
介護施設の月額費用を比較する際、見落とされがちなのが「居室タイプ」による差です。同じ施設・同じ介護度でも、個室か多床室(相部屋)かによって居住費(家賃に相当する部分)が大きく変わり、月額数万円の差になることも珍しくありません。特別養護老人ホームなど公的施設ほどこの差がはっきりしており、居室タイプの選択は費用計画に直結する重要なポイントです。
居室タイプごとの特徴と費用差
介護保険施設の居室タイプは、主に次のように分類されます。
- 従来型個室:一人部屋でプライバシーが確保されるが、居住費の自己負担額が最も高い傾向がある
- ユニット型個室:個室でありながら、10人程度の少人数グループ(ユニット)で共同生活支援を受けられる形式。居住費はさらに高めに設定されることが多い
- 多床室(相部屋):2〜4人程度で1部屋を共有する形式。居住費が最も抑えられ、公的施設では月額1万円台に収まることもある
厚生労働省が示す基準費用額(目安)でも、多床室と個室では居住費に月額2〜4万円程度の差が生じることが一般的です。同じ施設内でも空き状況によって選べる居室タイプが限られる場合があるため、費用を優先するなら多床室のある施設を早めに探す、プライバシーを優先するなら個室費用を見込んで予算を組む、といった判断が必要になります。
低所得者向けの負担軽減制度
所得や資産が一定基準以下の場合、「特定入所者介護サービス費(補足給付)」により、居住費・食費の自己負担が軽減される制度があります。この制度は多床室を利用する低所得者の負担を特に大きく軽減する設計になっており、条件を満たせば個室よりも多床室の方が制度上のメリットを受けやすくなっています。対象になるかどうかは市区町村の窓口やケアマネジャーに確認できるため、費用を抑えたい場合はまず利用要件を確認することをおすすめします。
プライバシーと費用、どちらを優先すべきか
多床室は費用を抑えられる一方、他の入居者との共同生活になるため、音や生活リズムの違いがストレスになる人もいます。逆に個室はプライバシーが保たれ落ち着いて過ごせる反面、費用負担が重くなります。判断に迷う場合は、まず短期間のショートステイで多床室・個室それぞれを体験してみて、本人の性格や希望に合うかを確認したうえで、長期入居の居室タイプを決めるという方法も有効です。費用と快適さのどちらを重視するかは家庭ごとに異なるため、本人の希望と家計の両方を踏まえて優先順位を整理しておきましょう。
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